生物委員会委員長は苦労人2

□80:竹谷
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【80:八左ヱ門】



俺が今目にしている光景は幻覚だろうか…。いや、幻覚だっ。だって、利吉さんが、あの利吉さんが、女神にベタ惚れなんてありえないッ!!!

授業を終え、委員会活動をしていると遠目に見えた光景。

利吉さんにベッタリくっ付き嬉しそうに話している女神。そんな女神を優しい目で見ている利吉さん。



『“ちょ、ちょっと雷蔵ッ!あれどういう状況だよ?!”』



女神に見つからないよう雷蔵を呼ぶ。

雷蔵、三郎が女神に気づかれないようそっと傍を離れ、俺の傍へとやってきた。



『まさか…』

「その“まさか”さ」

「利吉さんまで女神の術にかかってしまうなんて………」


『……舞琴先輩呼んでくる…』

「「頼む/お願いするよ」」



下級生には女神には絶対近づかないよう釘を刺し、山田先生の元にいるであろう舞琴先輩の元へ向かう。



『舞琴先輩っ!!』

「?竹谷。どうしました?」

「何を急いでいる?」



山田先生と舞琴先輩が顔を顰めている。



『利吉さんがっ!利吉さんがっ』

「利吉がどうした?!」


『女神にベタ惚れでっ』

「べ、ベタ惚れ〜?!」



山田先生がズッコケてしまわれたが報告を続ける。



『三郎と雷蔵曰く、恐らく術に……』

「まさか、利吉さんまで………山田先生」

「なんだ?」



起き上がり舞琴先輩へ向き直る山田先生を見据え一言。



「利吉さんは私が正気に戻します」

『で、でもどうやってですか?先輩の事恐らく利吉さんも…』


「そこは気合だ」

「『学園長みたいなことを言うな/言わないでくださいっ』」



こっちは真剣なのに…。いや、先輩も真剣な顔しているけど…。


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