少年少女のお話

□メカクシ団 遊園地にて
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8月15日 正午頃
「・・・ってどこだよここ!?」
「あ、おはよう」
「菊!どこだよここ!」
「・・・俺の目を見てろ」
「は?何を言って・・・!」
先程作った『セト』の能力の逆の能力。『目を貸す能力』で真実をシンタローに伝える。
「・・・!?」
「あー、今のは俺の能力。伝えた事はすべて真実だから」
「そう・・・なのか?」
「ああ」
「あ、ご主人!起きたんですね!」
「あ・・・うん」
「さあ!早く遊園地に行きましょう!」
「エネ、その話は後でいいか?シンタロー、話があるから俺についてきてくれ」
「お・・・おお」


「さて、俺はみんなに言わなきゃいけない事がある」
「え?」
「俺は気がついたらシンタローのパソコンにいたって事はみんな知ってるね」
「ああ」
「気がつく前の話をするとね・・・実は俺はトラックに轢かれてたんだ。そして気がついたらシンタローのパソコンにいた」
「トラックに・・・?」
「ああ・・・それよりも大事な話がある・・・もしかしたら俺は『パラレルワールド』から来たのかもしれない」
「パラレルワールド?」
「あの・・・もしもの数だけ世界があるっていうやつっスか?」
「ああ・・・俺がいた世界では・・・みんなの話が小説になってるんだ」
「は・・・?」
「それで俺なりに考えたんだけど・・・もしかしたら俺のいた世界は【他のパラレルワールドの世界が漫画や小説になってる世界】だと思う」
「いやちょっと待て!話が急すぎてわからない!」
「・・・という事は菊はこれから起きる事をすべて知っているという事か?」
「残念ながら違う。たしかにあのテロリストの事件は知ってたけど、これから先の話は俺にもわからない」
「・・・じゃあなんで菊はこっちの世界に来れたんですか?」
「実は・・・シンタロー。VOCALOIDは知ってるよな」
「ああ」
「じゃあその歌が小説化してるのも知ってるよな?」
「ああ・・・それがどうしたんだ?」
「俺の世界にあるカゲロウデイズっていう楽曲に【8月15日にトラックに轢かれる】っていう話があるんだ。そして俺がトラックに轢かれたのも8月15日」
「・・・偶然が重なってこっちにこれた・・・そういう事か?」
「多分ね。そしてこっちに来る時に何かが起きた。そのせいで俺は電脳と現実を行き来できるようになり、さらには能力まで身についた」
「なるほどな・・・」
「よく解らないんだけど・・・」
「つまり俺はこの世界の住人ではないって事。別の時間軸から来た人間って事だ」
「へー・・・ええ!?」
「・・・まあ驚くだろうな」
「なんで黙ってたんだ?」
「いくら起こる事を知っているからって物語を変えられない。一説では【世界の運命を変えると世界は滅んでしまう】って言われてるしな」
「なるほど・・・」
「・・・別にどうでもよかったですね」
「え・・・?」
「そうだね」
「だな」
「仲間なのには変わりないし」
「・・・あはははは!」
そういえばこういう奴らだったな。
「どうかした?頭大丈夫?」
「いや、カノにだけは言われたくない」
「えー?そんな事ないよねみんな」
「「「菊が正しい」」」
「えー・・・」
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