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「おはよーう!サッチご飯ーー!」
機嫌が良いのかリナは豪快に食堂の扉を開けて、中に入り。サッチにご飯を頼む。
「おぉ、リナちゃん何か機嫌が良いじゃねぇか?!マルコとなんかあったか?」
「ふふ、内緒だよ」
ニコニコ、満面の笑みには、
何か有りましたっと言わんばかりだ。チラッと一緒に入ってきたマルコを、みれば以前よりスッキリとした顔だったが、より複雑になったようにも思える。
「マルコ…お前まさか手をだしたんじゃ」
「ださねぇよい」
実は、手を出してしまったが、
そんな事が言える筈もない。
ほんとかょぉ?と言いながら疑いの目をするが、「お腹空いたぁ」と駄他をこねる妹をほっとく訳には行かないので、直様キッチンに戻り、食事の支度をする。
「リナちゃん、できたよー」
「はーい!マルコのもとってくるね」
リナは、ニコニコと笑いながら、サッチの元へご飯を取りにいった。その姿をしかめた面で見ているマルコ。何故ならば、余りにも機嫌が良過ぎて、昨夜の件にも触れず、先程迄の事が不思議なぐらい。いつも通り。
リナは男と
寝るのに慣れているのだろうか?
あんなキスもした事が
有るのだろうか?
キスした事に触れないのは
何故だろうか?
リナへの、疑問に段々と機嫌が悪くなる。何故「腹を立てる」のかも、解らないので、その事にもイラっとしてしまう。
ふと、リナの方へ目をやると、サッチにガシガシと頭を撫でられて、そのまま、髪をスルリとサッチの口元に毛先を持っていかれ。髪にキスしていた。
その瞬間、サッチを穴が空きそうな程睨む。
殺気がしたのか、
ブルリと身震いをして、
手早くリナに出来上がった朝食を渡した。
「はい、マルコの」
ニコリと笑いながら、
ご飯の乗ったプレートを
マルコの 目の前に置かれる。
そして、さも当たり前の様に
隣に座り、「いただきまーす」と言ってご飯を食べようとしていた
その、光景をテーブルに肘をつき手で頬を支え、ブスッと不機嫌な顔して見つめる。自分でもわかる程不機嫌だった。
「あっと…どうしたの?何故か不機嫌?」
「メガネ、昨日の夜の事…」
「ん?昨日の夜?宴の事?」
宴がどうかしたの?っと聞かれると、また一段と不機嫌になる。
「俺の部屋での事」
「ん?朝の?」
「夜の」
マルコの部屋で夜ー?
頭を傾けて、歯を食いしばりながら、本気で悩ましていた。バカな姿に呆れてしまい。溜息をつけば。
「あっ。幸せ逃げちゃうっ」
そう言って。マルコが吐いた息を吸う。吸う際にマルコに近づいてしまい。上を見れば目の前にはマルコの厚い唇。
「あっ…。ごめん」
何時もなら、マルコの唇への字ー。と言ってチャカすが。今回はボッと全身赤くなり。直ぐに離れて目を逸らす。その行動にリナ自身が驚いた。
「あれ?・・・なんか物凄く恥かしい」
何故だろうか?とブツブツ言っている。
あぁ、体は覚えてるのか。
口元が緩やかになるっていくのが手に取る程わかる。悩んでる姿に心も段々と落ち着いていき、
勝手に悩ませとこうと思った。
「何、ブツブツ言ってやがる。早く食べろよい」
マルコ自身も自分の食事に手を伸ばし、食べ始めた。
その食べ始めたとの同じぐらいに、
マルコの心は小さく踊り始めて。
リナの心はフルフルと震え始めた。