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ヨーホーヨーホー
宴は中盤に差し掛かり、酔っ払って上機嫌になった物達はお互いに肩を掛け合い、右足、左足とあげて、楽しそうに歌っていた。
それを見ながら、微笑ましくみてるリナはちょびちょびと手元にあるジョッキを、口に運んでいく。しかし、余所見をしていたせいか、そのお酒は口の中に流し込まれず、口のヨコを、ダラダラ垂れてしまった。
「ちゃんと、前みろよい」
「あぁ、ごめんね。楽しくてついつい」
ふにゃりと笑うリナを隣に座っているマルコは飽きれた顔をしてその辺にあったタオルでゴシゴシも垂れて行った所を拭いてくれた。
「マルコ、お母さんみてぇだな」
如何にも不機嫌何です俺っと主張しながら、そのやり取りを机を挟んで真前で見ていたエースが言う。マルコは「こいつのはゴメンだよい」そう言えば、拭くのを終わらせて、自分のお酒に手をつける。
「そーだよ!マルコは私の将来の旦那様だよ!」
「ぅっ・・・」
「なんで!マルコなんだよ!」
その言葉にブッとお酒を吐き出しそうになったマルコは寸の所で堪えて、リナに目をやりコツンと頭を叩いたが、気にも留めないリナ。それに反してエースはコンなのダメ!絶対ダメ!そう言ってリナとマルコの間に割り込んで座る。
「エース邪魔!マルコの隣は私なの」
そう言ってエースを、押しのけるが、頑として動かない。しかし、其れはマルコの力によって無理やり退かされた。
「ふふ。マルコも私の隣がいいって」
「ちげぇよい」
ここに酒があるだけだよいっ
照れ隠しなんだからぁっと笑い合いながらまた、二人はお酒をちびちびと飲み始めた。
「なんか、マルコまるくなったよね」
ふいに、リナが今日一日で感じとった素直な感想だった。その言葉に顔をしかめる2人。
どこが?っも首を傾げるエースに対してマルコは気のせいだろうょい。とそっぽを向いてしまった。
「そーかな?なんか優しい。やっぱ、何も言わずにどっか行って連絡し無かったのが寂しかった?」
ヘラヘラと笑いながら冗談で言ったのだが、ソレに気分を害したのか、ギロリと愛しのマルコに睨まれる。
いくら、好きな人だろうが、今これ睨まれて流石に、ゾクリとした悪寒が走る。そして、何かを思いついたのかニヤリと不敵な笑みに変われば、低い声が恐ろしく聞こえる。
「そんな事が、言えるようになったかよい」
「あっ、えっと、ごめんなさい」
素直に謝るが、その言葉と同時にマルコが腕を掴み自分の厚い胸板にリナを抱き収めるおデコに軽い唇が落とされる。
何をされたのかと、わかるのに数秒。ようやく動いた頭で理解すれば、口をパクパクと動かして全身真赤にしていた。そして、ソレと同じ様に元の位置に戻っていたエースも動揺して何も発していなかった。
「こんな事でこれじゃぁ。俺の嫁さんつとまらねぇよい。あぁ、調教ってのもいいか」
一層に悪巧みを含んだ表情でリナを、みれば、なわなわと唇が震えていた。してやったりと満足したマルコはその2人を放置してまた、残りのお酒をタップリと、飲み干した。