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「次はこれだよい」
「えー?まだいるの?疲れたからご飯屋さんいこう!」
「お前が何も持ってきてないからだよい」
げっそりと疲れきったリナの隣には山のように積まれた、洋服達。その上にどんどんと積んでいるのは、手際よく服を選んでいるマルコ。
「こんなにいらないのに・・・」
「何でも言うこときくんだろい?」
あんな言葉言うんじゃなかったと後悔する。
言い返す言葉もなく、気だるそうに、マルコから数着の服を手渡されて、試着室に入っていく。
かれこれ1時間ほどこのやり取りをしていた。
お互いに能力をつかって戦っていたが、勝敗はマルコに挙がった。その後、何でも言うことを聞く約束をしてしまったリナは、買い物に行くのについてくるよう言われた。舟の食料などの買い物だと思っていたが、
リナの必需品の、買い物だったようで、最初は自分の事で喜んではいたが、女のリナよりマルコの方が真剣に選んでいることで、精神的に辛いものだった。
「わたし、2・3着でまわるんだけど?」
「いつも、同じふくだろよい」
試着をすませ、マルコに似合ってるか判断してもらう。マルコがコクリと頷けば、それは買う、横に顔を振れば返却。今着た者は横に顔をふられたので、返却。そして、次に渡されていた服を試着。
「スカートいらないよ・・」
「・・・いいんだよい」
「戦闘する上で必要ない」
「・・・いいんだよい」
そういって無理やりにでも、選ばれる服たち。
今までおしゃれなど考えたこともなく、過ごしてきたこの20年間。マルコのセンスによりお洒落な服たちが選ばれていく。
(はぁ・・買い物って疲れる)
その後、1時間かけて服を買い揃た。次はっと下着だなっと言って下着屋に一緒に入ろうとするものだから、慌てて追い出し、数分で適当に選んだ。せわしなく、選ばれていく必需品、全て持つには大変なので、舟に持っていってもらうようお願いした。
「・・・・お腹すかない?」
次はあそこだな、とお店を選んでるマルコに、そろそろ休憩をしたくて、お願いをしてみた。
「あぁ、そろそろお昼にするか」
ようやく、落ち着ける。
そう思い、適当に選んで入ったレストランで食事をする。現在3時、遅めのお昼ご飯。歩き回って体力を消耗したが、体力の消費など別にさほどのものではなく、精神的疲労のほうが大ダメージを受けていた。
「マルコ、確かに当分舟にいるケド、たまには仕事にいくよ?だから、こんなにもいらないよ」
食事を済ませ、食後のコーヒーを飲みながら、
目の前にいるマルコに視線を向ける。
「・・いつでも、帰って来てもいいように、いるだろよい・・。」
リナの方には目を向けず、コーヒーを見つめながら、言う。気のせいかも知れないが、耳が少し赤いようなきがする。
「あっ・・・ありがとう」
嬉しいのだが、マルコに言われると。
まるで、自分を受け入れてくれているかのようで、恥かかしいような、嬉しいような、複雑なような、心がむず痒いきがした。