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ガチャ

ドアを、あけてマルコの部屋にはいる。目の前には何もない部屋。机とベットと本棚それ以外はなにもなかった。そのせいか、部屋は広く感じた。

「何もないね」

以前にもマルコの部屋に居たことはあったが、ちゃんと見るのは初めてだった。

「男の人の部屋とは思えない・・ふふ。意外」

うるせぇよい。と言いながら、
エースがマルコの部屋に運んでいた荷物を片していく。

「へぇ、クローゼットは別の部屋なんだ?」

チラリとマルコが洋服を入れているところを見れば、この部屋と同じぐらいの広さのクローゼット。そこには、本棚もあり部屋にある本より沢山の物が並べてあった。

「お前も片付けろよい・・下着まで俺に片付けさせるつもりか?」

「あっ!!!やるやる!やるからマルコあっちいって」

悪戯に笑って、リナが焦るのを楽しんでいるマルコ。クツクツと笑えば、もぉ、と頬を染めた彼女をもっと虐めたいと思ってしまう。

俺はこんなに苛めっ子だったかよい?


自分でしていて、自笑していしまう。こんな気持ち忘れてた。海賊に必要ないと思っていた。だからこそ、それに気づくまでに大変だったが、気づいてしまえば何て事ない。早く言ってしまえばいいのだが。

年齢を重ねた分だけ、思っているのとは裏腹に口は動いてはくれない。たった一言に此れだけ苦労するのにも後にも先にも此れだろう。この子には直接的な言葉ではないと伝わらないと、今日一日でわかったのだか。上手くいかない物で。

「マルコー終わったよー」

「あぁ、・・」

「ねぇ・・まさかとは思うんだけど・・」

ベットに腰をかけているマルコに近寄り、頬を赤らめながら問いかけてくるが、言葉がつまって中々切り出さない。しかし、何を言おうとしているのかは、マルコにはお見通しなのだった。

解っているが、言ってやらねぇよい

「なんだよい?」

口角が上がるのをガマンして、聞いてやれば、更に紅くなる。

ほら、もっと俺の事で恥ずかしがれよい

「・・・ベット一つしかないの?・・」

雀の鳴き声のように小さい声が、可愛らしい口から漏れる。かろうじて聞き取れるその声に、我慢が出来なくなった口角が上がってしまう。

「・・そうだよ。今更恥ずかしいのかよい」

前にもねたろい?っと言えば、
「だって・・」と一瞬マルコと目をあわせるがすぐにしたをむき、ボソボソも言う。

「聞こえねぇよい」

「だって、前にマルコ・・・チューしたんだもん!」

その言葉を言えば全身真赤にさせて、キッとマルコを睨む。いや、見つめているのだろうか。余りにも【睨む】にしては、覇気がなさすぎる。あぁっと何かを思い出したように、漏れる声。

「あああ私、ちゃんと聞いたんだから!」

「何をだよい」

「チューは恋人同士がする事だって!そそそそれに、男と女が一晩一緒にねるのは「なに、期待してんだよい」・・え?」

それに、どもりすぎたよい。
フワリと微笑む彼に彼女は心臓がきゅうっとした感覚に陥り、切なく感じてしまった。

「・・あの時は悪かった・・その、なんだ、・・・あれだよい」

頭をカリカリとかきながら、濁しながら下手な言葉を出さないように、選んでいるようだった。

「すまなかったよい・・」

素直に謝るマルコ。謝ってくるとは思わずビックリしたリナだ。しかし、切ない表情を浮かべる。

「謝らないでよ・・・」

私は好きなのに。
今にも泣き出しそうな表情をみてすぐに、腕を引いて抱きしめようとした時。

コンコンッ

部屋のノックがなれば、その外から聞こえるエースの声。飯ー!っと叫んでいた。

「ふふ、ごはんだって」

行こうっか。
先程の切ない表情の面影はなく何時もの明るいモノへ変わっていた。その表情にホッとするが、引っかかりがあり、顔をしかめた。

「ご飯食べそびれちゃうよ?」

「あぁ」

リナはマルコの手を引き、ドアの方へ歩いていく。そのまま、マルコは何も言わず一緒にいく。ドアを空けて、手を繋いでいる、2人をみるや否やエースは手を離せ!っと凄む。

「俺が掴んでるんじゃねぇ、リナに言え」

「リナ!離しなさい!」

「ホラッ、コッチはエースね」

マルコの手を握っている逆の手でエースに差し伸べれば、「仕方ねぇな」と言いながら、その手を握る。

右にマルコ
左にエース
真ん中にはニコニコと
満足気な彼女。

このまま、食堂まで行ったら、
どんな反応されるかは、
彼女は知らない。
エースも知らない。
マルコは知らないフリ。

そして、案の定
それをみるや否やクルー達は驚き、爆笑、、、便乗。
さて、エースに燃やされるクルーは何人になるだろうか?
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