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□苦手なもの
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すると
ゴロゴロゴロ
音は小さいが、大石たちにも聞こえた。そのため、大石の肩がビクっと上がった。
「ん?雷?」
「・・・・・・」
大石は、黙ってしまった。
いや、黙っているのではない、ただ自分の体が震えているのを気づかれたくないだけー。
「あれ?大石?」
しかし、菊丸は大石の変化に気づいた。
「な、なんだい?」
「いや、なんか大石の様子が変だなーって思ってさ」
「そ、そうか」
大石の声が一瞬震えた。
菊丸はそれに気付いたが、確信したわけではなかったため、直接聞いた。
「?なんか声震えてない?」
「そ、そんなこと...」
ない。と言おうとしたその時
ピカッ
雷が鳴った。
それほど大きくなかったが、それでも雷の音は聞こえる。