book

□優先順位
2ページ/27ページ

     バタン!!

  ......シーン......。

一気に空気が重くなった。

部室にはレギュラー陣全員が残っていて、二人が言い争っているのをずっと見ていた。
止めに入ればよかったのだが、喧嘩して興奮している状態では余計にヒートアップしてしまうかもしれないと思い、ただ見ているしかなかったのだ。

「大石、追いかけなくていいの?」
「何か...俺が原因のようだな...。何なら、部活後の件は俺一人でやるが?」

不二・手塚が大石にそう言ってきた。

「追いかける必要はない。今まで俺が英二を甘やかしすぎたんだ。英二には、我慢を覚えてもらわないとな。いや、手塚のせいじゃない。それから予定通り俺も一緒にやる」

大石はそう答えた。

大石の言葉を聞いて、あの大石(先輩)が菊丸(英二)(先輩)を追いかけないなんて...と他のレギュラー陣は驚いていた。

「とにかく、このことは後にする。急がないと授業に間に合わないぞ」

手塚の一言でみんな授業のことを思い出したのか、慌てて着替えたあと急いで各自教室へ向かった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ