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バタン!!
......シーン......。
一気に空気が重くなった。
部室にはレギュラー陣全員が残っていて、二人が言い争っているのをずっと見ていた。
止めに入ればよかったのだが、喧嘩して興奮している状態では余計にヒートアップしてしまうかもしれないと思い、ただ見ているしかなかったのだ。
「大石、追いかけなくていいの?」
「何か...俺が原因のようだな...。何なら、部活後の件は俺一人でやるが?」
不二・手塚が大石にそう言ってきた。
「追いかける必要はない。今まで俺が英二を甘やかしすぎたんだ。英二には、我慢を覚えてもらわないとな。いや、手塚のせいじゃない。それから予定通り俺も一緒にやる」
大石はそう答えた。
大石の言葉を聞いて、あの大石(先輩)が菊丸(英二)(先輩)を追いかけないなんて...と他のレギュラー陣は驚いていた。
「とにかく、このことは後にする。急がないと授業に間に合わないぞ」
手塚の一言でみんな授業のことを思い出したのか、慌てて着替えたあと急いで各自教室へ向かった。