喫茶

□バイト始めました
1ページ/4ページ




1人で夕暮れ時に下校をして、


ふと看板に目をやれば、


その店は開店します。






放課後せくしー









『こんな店…あった…かなぁ?』



昨日までなかった場所にいきなり綺麗な喫茶店がオープンしていたら。

大抵の人は、名前のようにまず疑うであろう。

ましてや、名前のようにぼっち状態であれば、
更に不安さえも込み上げてくるものだ。



『…まだ3時くらいだよね。』



部活をサボる中学生の下校時間は、その日の授業が短縮であればこれくらいだろう。

まだ日がさしているので、名前は、

喫茶店に入ってみることにした。



少しきしむ木製のドアを押し、中を覗いてみれば香るコーヒーの匂い。




『いい香りー…飲めないけど




学校帰りなんて関係ない。


カランカラン、と心地よい鈴の音を鳴らせ、
ドアを開けた。




すると――、





あ、ごめん、まだ清掃中なんだよね





明るい色の髪の毛を少し揺らしながら、アヒル口の人がわたしにそう伝えた。

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ