茶屋
□あひるきす。
1ページ/1ページ
「ふーまくんふーまくん」
「ぁ?」
「構ってよー。」
「いやいや、新曲のフリ覚えねーとさ」
「ええええ。健人くんに教われば良いじゃん」
「それだと俺のプライドが…」
「は!?」
彼氏がアイドルだと、結構お互いの愛情を確かめ合うのに不利なときがある。
そりゃあまぁ、彼氏には幅広く活躍してほしい。だって、大好きだから。時々嫉妬するけども。
「ごめんな」
「いーよ、ふまくん頑張ってるもん」
頭を一撫でされて。くしゃりと笑う彼氏にキュンときた。
「名前はさー」
「ん?」
DVDプレーヤーから目を離すことなく、彼は私に問いかける。
「俺が彼氏で良かったわけ?俺で満足出来てんの?」
表情は伺えないけど、ちょっと可愛いな、なんて思った。ふーまなりに心配してくれてるんだ、わたしのこと。
「うん。ふーま以外じゃわたしの彼氏は務まらないでしょ」
「えー、中島が彼氏だったらなー、とか言ってるくせに?」
「えええ!?冗談だって、ね!w」
「まぁ、でもさ」
ふと真剣な声色になる彼を、覗きこむ。すると、後頭部をグッと引かれ、気付けばドアップの彼と唇に柔らかい感触があった。
唇を離せば、いつものアヒル口でわらう彼がいて。
「俺、名前が彼女でほんとに良かったよ」
いつもはこんなこと言わない彼に少しびっくりした。
「どしたの…?」
「…やっぱり無理。…あとで中島にフリ教えてもらうわ!」
「えっ、ちょっ、」
夜は、長くなりそうです。
____
※このあとは別に卑猥な行為をしたのではなく、ゲームを楽しくしただけです。