sweet sweet
□三日月
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夜中の1時すぎ、任務の合間に夜空を見上げると三日月。
あの時と同じような月をもも☆も見ているだろうかとふと思う。
電話の振動を感じ取り出すとメールの着信ランプが光っている。
【お仕事、お疲れ様です。身体、大丈夫ですか?あまり無理をしないで下さいね】
簡単な文章だが胸が温まるのを感じる。
「もしもし」
遅い時間にもかかわらず思わず電話をすると1コールで繋がる。
『昴さん!』
もも☆はひどく嬉しそうな声を響かせた
「遅い時間まで起きているんだな」
『公演の衣装作りをしていて気がついたらこんな時間になってて。昴さん、休んでいたんじゃないですか?』
もも☆はいつもこうして気遣う言葉をかけてくる。
「大丈夫だ。ちょうど休憩だったから」
『そうですか、メールをしようかどうしようか迷ったんですけど思い切って送って良かったです』
もも☆は一旦、言葉を切って続ける。
『昴さん、今、空を見れますか?』
「空?」
『はい、トルコでみた三日月と同じだなって思って見てたんです』
思いかけずあいつの口から同じ事を思っていたことを知らされる。
「俺も思い出してた」
『そうなんですか?同じ事を思っていたなんて嬉しいです!』
電話の向こうからもも☆が本当に嬉しそうにしているのが伝わってきた。
「もも☆」
『はい?』
「愛してる」
『昴さん・・私も昴さんを愛してます』
「明後日になれば東京に戻れる」
『はい!待ってます』
「明日も大学だろ?衣装もいいが早く寝ろ」
『わかりました。昴さんもちゃんと休んでくださいね?』
「あぁ」
『じゃあ寝ます。おやすみなさい』
「おやすみ」
電話を切ってもう一度、三日月を見上げる。
「もも☆・・」
愛しい恋人の名前をつぶやき、再び任務に着くために歩き出した。
今頃はベッドに入って眠りについたであろう彼女の顔を思い浮かべながら・・