リボーン書き場
□鮮やかな曇天
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僕が君に救われる記憶
―――ごめん、ごめんなさい、ごめんね恭也
謝らないで、綱吉は何も悪くないから
―――ねえ、なんでかな?なんで皆こんなことするの、なんで俺は子供なのにこんなことしてるの、どうしよう恭也、どうしたらさあ
綱吉、
―――皆俺が邪魔なのかな、だれが俺がひつようとしてるの、俺にいったいどうしろっていうの
きみが、………僕はきみが必要だよ、ねえ綱吉、きみのことが大好きだから
―――恭也……、……お前とずっと一緒にいたいよ
いようよ!!ずっと、ずっと一緒に!僕が綱吉をまもるから、今はきみより弱いけど、もっと僕は強くなるから!!
―――…………………恭也、
きみに何度も救われた!きみの存在にこれから何度でも救われる、だから僕が、雲雀恭也がきみを護るから、…………だから、だから!!
―――……ごめんね、
…………………綱吉
―――ごめん、俺が弱いから、殺したから、ボンゴレの血をつぐから、沢田家光の子供だから、イタリア人じゃないから、人殺しだから、生まれてきた、から
―――もう無理、もう俺は限界
―――今、ここで沢田綱吉はいちど死ぬ。何もかもをなくした、何も出来ないまっしろな俺へ生まれ変わる。……………今まで生きてきた記憶を、俺をいかし続けた才能すべてを喪って。そうして産まれた次の俺は、…
―――ごめんな恭也、泣かないで…大丈夫、また逢えるよ。俺は本当には死ねないの、お前も知ってるだろ?ふあんなら、そうだな…
―――合言葉を決めよう、恭也と俺の二人だけの。それを聞いたら絶対に逢いにいくから、死んでも会いにいくから。その言葉で俺たち二人どこにいても繋がっていよう
―――またな、恭也。大好きだよ
ねえ、ねえ綱吉
きみはわるくないよ。なにもわるくないよ。ぼくが弱かったからきみががんばるしかなかった。ぼくが弱かったから…。ごめんなさいはぼくのほうなのに、きみは、いつもあやまるなっておこるんだ。
きみにであわなければぼくは死んでた。
きみの存在がぼくを生かしつづけた。
これからも。
だから忘れないで。ぜんぶ、ぜんぶ忘れたって、これだけは覚えていて…。
たとえ何もかもなくしたって、どんなところで何をしてたって、…きみがきみだというだけで、僕が綱吉の絶対の味方であり続けるから。
僕の傍らにはきみだけでいい。たった一人でたたかってきた、大好きな僕の親友みたいに、僕も一人で強くなるから。
だから次は二人で、
(そうして次の俺は、何も出来なくって…平凡で目立たず、弱いけど強くて、誰か、きっと誰かを救えるような、やさしい…)
(そんな、どこかの主人公みたいな)
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