小説
□ずっと一緒
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『これからは僕が守ってあげる。僕が今日からお兄ちゃんだよ』
ーー幼いあの日
キラはそう言って、泣いている俺を優しく抱きしめてくれた。
その日から俺はキラの妹になったーー。
【ずっと一緒】
「キラ、早く起きないと遅刻するよ」
「う〜ん、もうちょっと」
はぁ…。アスランはなかなか起きない兄のキラにため息をついた。
「起きないとおいてくからな」
「…それは嫌!」
ガバッと布団を剥ぎキラがようやく起きた。
“まったく高校生にもなって…”
アスランは呆れていた。
キラを起こすのは、いつもアスランの役目だった。
「「おはよう」」
「おはよう。キラ、アスラン」
二人がおりていくと、母のカリダが朝食を準備して待っていた。
「まったくキラは…そろそろ自分で起きなさいよ」
「はいはい」