小説
□忘れて…
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もう…苦しまないで…
全部忘れさせてあげるーー
アスランの恋人が事故で亡くなった…。
それからアスランは、何も食べなくなって、眠らなくなって、ただ泣いていた。
僕はそんなアスランを見ているのが辛かった。
いくら僕が話しかけても、アスランの瞳に僕は映っていなかった。
このままではアスランはあの人の後を追って逝ってしまいそうで…。
だから僕はーー
アスランの記憶を消した。
ある医者に頼んで、アスランの記憶をすべて消してもらった。
あの人のことも、
もちろん、僕のことも、
それで良かった…。
アスランからあの人を消せたのだから。
「ここはどこ…俺は…」
目を覚ましたアスランは本当になにも覚えていなかった。
「キミの名前はアスランだよ」