小説2
□家族〜特別なひとつ〜
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同じ部署の男性に義理チョコを配っている女子社員も、なぜかキラだけにはくれなかった。
まあキラが愛妻家だというのは有名だけど。
それでも義理チョコくらいくれてもいいはずだ…。
イザークはいっぱい貰っていたし、ディアッカだってそれなりに貰っていた。
「キラ、高校の時は結構貰ってたのにね」
「そんなには貰ってないよ」
「そうか?」
「うん。もしかして嫉妬してた?」
「う……ちょっとね」
アスランはちょっと顔を赤くして言った。
“可愛いな”
キラはそう思って見てた。
「でもアスラン、僕が欲しいのはアスランからのチョコだけだから」
「キラ…」
「僕はこれ一個でじゅうぶんだよ」
キラはにっこり微笑んだ。
キミから貰うこの一個。
僕にはこれさえあればいい。
特別なひとつだから――。
END
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