小説2
□かけがえのない恋
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入ってきたのは、見舞い客ではなく白い白衣を着た看護婦さんだった。
藍色の髪――
翡翠色の瞳――
僕は一瞬で目を奪われた。
白衣の天使とはまさに彼女のことだろうかと思った。
僕は生まれて初めて一目惚れをしたのだった――。
「キラさん…キラ・ヤマトさん…?」
「……あっ、はい!」
僕は彼女をぽーと見ていて、話しかけられたことに気付くのが遅れた。
「初めまして、キラさん。私は貴方の担当になった看護婦のアスラン・ザラです。退院までよろしくお願いしますね」
“アスランさんっていうのかぁ…”
「あっこちらこそよろしくお願いします」
キラは慌てて頭を下げた。
「キラさんは入院初めてですか?」
「あっはい」
キラは緊張しながら答えた。