小説2
□かけがえのない恋
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一目見た――
その瞬間に――
僕は恋に落ちたんだ。
【かけがえのない恋】
「あーあ、ついてないなぁ……」
僕はバイクを運転中に転んでしまい、足や腕の骨を骨折して、病院に入院するはめになった。
入院なんて、キラにとって生まれて初めての経験だった。
骨折はしているが、元気なキラにとって、入院生活は暇で仕方なかった。
ベッドの上で一日を過ごすのは本当に退屈で……。
「誰かお見舞いに来てくれないかな…」
一人部屋なため、話し相手もいない。
――コンコン
キラが溜め息をついていると、病室のドアがノックされた。
「はい…?」
誰かお見舞いに来てくれたのだろうかとキラは思った。
「失礼します」
控え目な声がして、ドアが開いた。