“君”シリーズ
□君がいいんだ
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愛していた――
だけど、僕らの想いは許されなくて……
引き離されてしまったんだ。
それでも僕は
今でも君を――
愛している。
【君がいいんだ】
「キラ様、そろそろお時間です。車にお乗り下さい」
専属の運転手がキラを迎えに来た。
「あぁ…」
「今日はラクス様とのお食事でしたよね?」
「うん…そうだね」
キラは外の景色を見ながら、答えた。
「もうすぐ結婚するんですよね。おめでとうございます」
「あぁ…うん、ありがとう……」
キラはもうすぐ婚約者のラクスと結婚する予定だ。
だがそれはキラの望まぬ結婚だ。
キラには他に愛する人がいる。
五年前、僕の前から突然姿を消した彼女
アスランを――今でも愛していた。