“君”シリーズ
□君は少しも悪くない
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僕が彼女と付き合っていたのは、中学生の頃――
僕はその頃、あまりに子供で彼女の大切さに気付かなかったんだ――。
【君は少しも悪くない】
中学生の頃、僕には付き合っていた彼女がいた。
名前は‘アスラン’。
アスランは僕の幼なじみだった。
『キラ、俺…キラのことがずっと好きだったんだ。付き合ってくれないか?』
恥ずかしがりやのアスランが、顔を真っ赤にしながら告白してきた。
『――うん、いいよ』
キラは少し考えて、アスランならいいかなと頷いた。
アスランのことは幼い頃からずっと一緒だったので、よく知っていた。それに恋愛感情の好きではないが、人間的にアスランことは好きだった。だから付き合ってもいいと思った。
僕はこの時――あまり深く考えずに頷いたのだ。