小説
□家族〜一番大切なもの〜
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「俺、妊娠したんだ」
アスランからの突然の一言。僕は喜ぶべきなんだけど、でもーー。
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僕とアスランは結婚して3年。だから子供ができても不思議ではない。むしろ普通だと思う。僕は別に子供が嫌いな訳ではない。だから、アスランに子供ができたのは嬉しいこと。
でもーー
「アスラン、体は大丈夫なの?」
「……うん」
アスランは子供の頃から体が弱い。普段の生活には差し支えないが、体調を崩しやすい。風邪をひくと高熱が出て、治りが人よりも遅い。
僕はそんなアスランが心配でたまらない。
幼なじみで、子供の頃からずっと一緒だった。僕はその頃からアスランの体のことを心配していた。風邪をひいて高熱にうなされるアスランをみて、もしかしたらこのままーー…なんて考えて子供ながら不安に思っていた。
それは今も変わらない。会社にいる時もアスランのことが心配でたまらない。