小説3
□メビウスの輪《前編》
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ねぇ、アスラン……
もしも僕があの時、選択を間違わなければ――
違う未来が――
幸せな未来が――
待ってたのかな……?
【メビウスの輪】
「キラ、おはよう。準備出来たか?行くぞ」
「あっ待ってよ、アスラン」
キラは玄関で急いで靴を履いた。
「もうキラ急いで、遅刻する」
「わかってるよ〜。出来た、いってきまーす」
キラは先に歩き出したアスランを小走りで、追いかけた。
「キラはいつもギリギリなんだから」
「ごめんごめん」
キラがアスランに追いつくと、アスランはキラに文句を言った。
キラもアスランには悪いと思っている。アスランがいつも朝迎えに来てくれるおかげで、キラは遅刻しないで済んでいるのだから。