小説3
□家族〜亀裂〜
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料理がとっても上手くて、いつも優しい母さん。
ちょっと仕事は不真面目だけど、母さんのことをとっても大事にしている父さん。
俺はそんな二人が大好きだった――…。
それなのに………
【家族〜亀裂〜】
「おはよう」
「おはよう、シン」
シンがダイニングに行くと、朝御飯が並べられていた。いつも家族の誰よりも早起きして、母さんが朝御飯の準備をしている。
「おはよう」
「キラ、朝御飯は?」
父さんはどこか急いでいるようで、テーブルにつこうとしなかった。
「ごめん、朝一番に会議があるんだ」
「そうか…はい、お弁当」
母さんは少し残念そうな顔をして、父さんに弁当を渡した。
「ありがとう。じゃあ、行ってきます」