小説3
□ずっとあなただけを
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「アスラン……僕振られちゃった」
キラが突然、肩を落としてそう言った。
「え……うまくいってるって言ってたじゃないか」
確か一週間ぐらい前に、彼女のフレイとうまくいっていて、幸せだと幸せいっぱいなオーラを出して言っていた。
「うん……突然別れようって言われたんだ。他に好きな人ができたからって」
「そうか…」
アスランは落ち込んでいるキラを見ながら、チャンスかもしれないと思った。
「ねぇキラ。俺じゃ……フレイさんの代わりになれないかな?」
【ずっとあなただけを】
キラと俺は幼なじみで、子供の頃からずっと一緒だった。
キラは少しだらしないところがあって、いつも俺が面倒を見ていた。
だから周りからは姉弟みたいだと言われていた。
でも俺は、少し頼りないキラが好きだった。