“君”シリーズ
□君のために僕がいる
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アスランの父パトリックの会社が急成長したからだ。
キラもアスランもまだ子供で、大人の事情で突然引き離されても、どうすることもできなかった。
僕らは無力だった……。
もし僕が大人だったら――そしたら、引き離されずにずっと一緒にいられたんじゃないかとキラは思っていた。
だから早く大人になりたかった――。
キラはどこにいるかわからないアスランを捜しながら、中学生の頃から年齢を偽ってアルバイトをしていた。
“絶対にアスラン――君を迎えに行くから――”
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「キラ…行くのね」
「うん。我が儘言ってごめん…母さん」
キラは家を離れて、高校はプラント学園に進学を決めた。
それは――アスランがプラントにいるという情報を掴んだからだ。