STORY

□「一万回のKISS」
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「ん、ン……っ」

「ふふ、結構慣れて来たみたいだね」

「そりゃ、これだけやってれば慣れますよ。そう言えば……」


俺達って今まで何回くらいキスしたんですかね



赤也のふとした言葉が俺の脳裏に潜伏する。


―1万回目のキス


***

付き合ってどれくらいの月日が過ぎたのか……
そんな事はお互い分かっている。

でも今ので何回目のキスなのか……
それは流石に分からない。


初めてのキスの場所
初めてのキスの感覚


それはしっかりと覚えているのに……


「赤也は、俺達何回くらいキスしたと思う?」

「うーん、50回……えっと70回くらいっすか?」

「もっといってるかもよ?」

「じゃあ100回!」

「どうだろうね。そのくらいなのかな?」

いくら答えを模索しても、互いが覚えていなければ正解なんて出て来る筈が無い。



その柔らかな唇に俺は何度もキスをした

触れるだけのキス
舌を絡めるキス

そして、
頬にキスして
額にキスして
耳にキスして
体中にキスして……

でも回数だけは分からない。


俺達はいったい、どのくらいキスしただろう……


「んもー、幸村部長が突然そんな事言い出すから俺、気になって仕方が無いっすよ!!」

「あはは、ごめんごめん、じゃあさ……」

「?」


まだ幼さの残る彼の頬に手を当て顔を近付けてみる。

額が合わさり、唇は今にも触れそうな距離……

トクトクと心臓の音が体中を響き、でも目の前でキョトンと愛らしい表情を浮かべる恋人に俺は思わず笑ってしまう

「何で笑うんですか!」

「いや、可愛いと思ってね」

「……もう」

拗ねて唇を尖らせるその癖も、俺から視線を逸らすその仕草も全てが可愛らしくて仕方が無い

「赤也…?」

そっと名前を呼び、視線を絡めると条件反射で瞳を閉じる恋人。
艶めく唇に俺の唇が近付き、またそっと……キスを落とした。

「ん……っ」

ゆっくりと唇を離すと、思わず頬を紅潮させている恋人に俺はそっと囁く。

「じゃあこれがスタートだよ」

「…え?」

「だから、このキスから数えればいいんだよ。二人で」

「幸村…部長…っ」

「ふふ、相変わらず可愛い反応だなぁ。赤也、食べちゃうぞ?」

「ちょ、え…っ、待って下さい幸村部長ぉお…っ!」

―トサッ…



これをキッカケとして、二人でキスの回数を数えていこう


そして1万回目のキスの時

共に祝えばいい





f i n







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大好きサイト・L Rのねおさんからこのサイトの10000hit記念に幸赤をいただきました!一万ヒットの一万にかけた小説・・脱帽です。大好きです。(真顔)
赤也受けを全然かかれない方なのに幸赤を貰えて凄く嬉しかったです><垢屋が可愛すぎてたまらんハァハァ・・!本当に有難う御座いました!


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