STORY

□「お気に入り。」
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「赤也」
「…何スか?幸村部長」

学校帰り。幸村の家に遊びに行って通された幸村の部屋で寛ぎながら、赤也は顔だけを幸村の方へと向けた。


「今日は赤也の誕生日だから…何でも好きなこと聞いてあげるよ」


ふわりと花のように柔らかな微笑みと、魅力的な誘惑の言葉。

普段は滅多にないことだけに、赤也がその誘いに乗らない訳がない。
「何でもいいんスか…?」
「俺に出来ることならね」
幸村の言葉に後押しされるように少し考えた後、赤也はパッと幸村を見て目を輝かせながら云う。

「なら…腕枕して欲しいっス!」

予想外だったのか赤也の答えに一瞬目を見張った幸村だったが、すぐに笑顔で赤也に答える。
「いいよ…おいで?」
「はいっスv」
赤也はパタパタと幸村の元へ向かうと、ベッドに座っていた幸村の隣にチョコンと座った。
「じゃあ…どうぞ、お姫様?」
「ちょっ…やめて下さいよ〜部長!俺そんな柄じゃないっスから!」
「フフッ…そう?」
ベッドに横になって右腕を差し出し自分の隣をポンポンと叩く幸村に、赤也は躊躇いがちに同じく寝転がって幸村の腕に頭を乗せる。

「…どう?赤也。腕枕の感想は?」
「ちょっと恥ずかしいっスね…でも幸せ」

至近距離で幸村に見詰められ、微かに頬を赤く染めながらはにかむ赤也。
「俺も幸せだよ?赤也…誕生日おめでとう」
「ありがとうっス…幸村部長v」
赤也の癖のある髪を優しく撫でてやると、気持ち良さそうに目を細め幸村に擦り寄ってきた。


「ねぇ、幸村部長…来年も一緒に…」


幸村の撫でる手と感じる体温がよほど気持ち良かったのか、途中で途切れる言葉。

ほどなくして聞こえてきた規則正しい寝息に。幸村はフッと優しい笑みを浮かべて赤也を見詰めた。

「…来年も一緒に祝おうね、赤也」

赤也の唇にそっと甘いキスを落とすと、満たされた気持ちに従うように幸村も瞼を閉じた。



―FIN―







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素敵サイト、情熱サウスポーでの誕生日企画でフリー小説をいただいてきました!
海様の素敵幸赤小説にときめきをかくせません・・!甘い雰囲気の世界観に引き寄せられますっ憧れの世界!
素敵小説ごちそうさまでした!大好きです^▽^


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