四面楚歌

□第五話
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「こんな美人があの手塚の!?」
「信じられないな。」



皆の反応は様々。
驚いて開いた口が塞がらない人や、信じられないと頭を振る人。
まじまじと私と国光を見比べる人や、可笑しいだろ、と連呼する人。



「・・・でも何だか見覚えが在る気がするんだけど・・・。」
「そうかもね。彼女は元々青学にいたから。」
「じゃあ慶が前にいた学校て青学の事だったんだ。」
「・・・色々在ったの。」
「でも話には聞いてたけど、本当に髪染めちゃったんだな。」
「まあね。」



話が一段落ついて、視線がコートへと向く。
すると始まるコール。



「勝つのは氷帝!!負けるの青学!!勝者は跡部!敗者は手塚!!」



氷帝の人達は意気揚々、私達はどん引き。



「勝者は・・・・・・。」



パチンと鳴らされる指。
脱ぎ捨てられる上着。



「俺だ。」
「・・・・・・零、上に戻りましょう。」
「・・・そうだね。」



何か物凄く見なかった事にしたかった。



「それでは氷帝学園VS青春学園。シングルス1の試合を開始します!!」



頂上決戦。
その名に相応しく、瞬きをすれば見逃してしまいそうなほど一瞬一瞬が素晴らしいプレーだった。
国光の強さは私はよく知っている。



「跡部様ー、だって。何処が良いんだろ?」



でも跡部と云うあの男も相当の実力者。
・・・・・・無理しなければ良いんだけど。
でも次の瞬間、私と大石は顔を青くする。



「やるじゃねーのよ手塚。『そんな腕で』。」




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