遥時短編

□8月12日
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戦いが終わり、将臣や平家のみんなと一緒に南の島へとやって来たはいいが・・・。



「あ〜つ〜い〜。」



今の私は畳の上。
季節は夏。
暑さが半端ない。



「辛そうだな。ほい、水。」
「ありがとう将臣。」



私は将臣から水を受け取り、喉へと流し込む。



「お前ってほんと暑いの弱いよな。」



そう、私は昔から滅法暑さに弱いのだ。



「そういう将臣は強いわよねぇ。」
「俺は夏生まれだからな。」



夏生まれか・・・あら?



「そう言えば今日じゃない?あなたの誕生日。」
「あ?そう言われてみれば・・・。」
「ちょ、こうしちゃいられないわ!」



祝ってあげなきゃ!
そう思って立ち上がったはいいが・・・。



立ち眩みが起きて、足元がふらつく。



「おいおい、急に起き上がるバカがいるか。」



危うく頭を打ちそうになったのを、将臣が支える。



「だってぇ・・・。」



私はさきほどの状態に逆戻り。



「別にお前からのもんなんて期待してねぇから。」



大人しくしてろと、将臣は私の頭を撫でる。



「ひっどーい。」
「また倒れたらもともこもないだろうが。」
「じゃ、日が落ちて涼しくなったら何かしてあげるね。」



そう言ったら将臣は驚いた顔をした。



「お前、それ誘ってんのか?」
「何の話?」
「いや・・・何でもない、期待しないで待ってるよ。」
「少しは期待しなさいよ。」



そのあと宣言通り、日が落ちてから将臣の好物を作ったら、何故か不満気な顔をされた。



「やっぱり期待して損だったな。」



とか言いつつ、しっかり食べたんだから意味が判らない。





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