大事なもの

□第十六話
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雨の雫をこの身に受ける度。

責められているような、慰められているような感覚が襲う。

でもそれは私の場合で。

あの人は違うんだと、強く実感した。



「・・・・・・雨降りそうよね・・・・・・。」
「「「「・・・・・・そう(です)か?」」」」



私がそう呟くと、四人してそれを否定する。



「何よぉ。」
「だってさ夜錘、めちゃくちゃ空晴れてるぜ?」



悟空は空を指しながらそう云う。
その空は雲一つない太陽と青空が逆に眩しいくらい。
普通ならこれから雨が降るなど考えないだろう。
でも・・・・・・。



「甘いわね悟空。」
「な〜んか妙に自信在りそ〜だね夜錘ちゃん。・・・・・・賭ける?」



悟浄が肩に腕を回す。



「良いわよ。」



私はそれを退けながら云った。



「お?」
「じゃ私降るに1000円!」
「はいはい!俺も降るに1000円!」
「俺もだな。・・・・・・降るに1000円。」
「あ?何云ってんの三蔵サマ。」
「僕も降るに1000円ですかね〜。」
「ちょ、お前ら裏切るのか?」
「そうよ、さっきは否定したクセに〜!」
「・・・・・・信じないとは云ってないだろ。」
「夜錘が云うんですからそうなんでしょう。」
「うっわ、ひっでぇ。」



四人で降るに1000円、悟浄だけが降らないに1000円。

勝ったのは・・・・・・。



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