大事なもの

□第六話
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仕事以外で。

打算抜きで。

こんなに穏やかに食事をした事が在っただろうか。



「今日は此処で野宿だ。」



三蔵さんのその一言で、他の三人も準備を始めた。
ジープが先程云った事から推測する辺り、リーダー格は三蔵さんらしい。
悟空さんと悟浄さんが薪集めを、八戒さんが料理の支度を始めても、三蔵さんは動こうとはしなかった。
一応私はお世話になる手前、手伝わない訳にはいかない。
なので、私はゆっくり八戒さんに近寄る。
近付くにつれ、トントントン、とリズミカルな音が聞こえて来る。



「お上手なんですね。」
「そんな事ないですよ、僕なんてまだまだです。」



声をかけると、八戒さんはにっこり微笑んだ。



「あの・・・、私に何か出来る事は在りますか?」
「そうですね・・・、ではこのお野菜を切ってしまって貰えますか?僕は火をつけますので。」
「はい、判りました。」



私は八戒さんから包丁を受け取った。



「はっか〜い!薪ってこんなもんで良いか?」
「ええ、十分ですよ。有難うございます。」



薪拾いから帰って来た、悟空さんと悟浄さんから薪を受け取り、八戒さんは焚き付ける。



「八戒さん・・・・・・。」



切り終わった野菜を八戒さんの元へと運ぶ。



「はい?」
「これ・・・、如何見ても量が多い気がするんですが・・・?」



私は目の前の鍋を指す。
鍋の中には溢れんばかりのカレー。
ゆうに二十人前は越えている。



「そうですか?これでも足りないくらいですよ。」



この時は彼の言葉に私は疑問符を浮かべるしかなかったが、いざ、食べ始めてみると・・・。



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