大事なもの
□第九話
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ベットの上で眠る事は少なかった。
夜に眠る事は少なかった。
深い眠りにつく事はなかった。
「では余計な人も帰られた事ですし、そろそろ寝ましょうか。」
私も別に信仰心が在る訳じゃないけど、仮にも神に向かって余計な人とは・・・。
それを他の三人が気にした風もない。
凄い扱われよう・・・。
「さんせー!」
「・・・あぁ・・・。」
悟空は元気良く、三蔵は半分船を漕ぎながら返事をした。
この場合、逆なんじゃないんだろうか・・・?
「夜錘には別にもう一部屋取りましたから。」
「「え〜!?」」
八戒の言葉に私ではなく、悟空と悟浄が揃って叫ぶ。
「夜錘と一緒に寝れないのかよー!!」
ぶぅぶぅと頬を膨らませる悟空。
終いには一緒が良い、と暴れ出す始末。
「悟空、判りますね?」
八戒が悟空に向かってにっこり微笑む。
「お・・・おう・・・。」
一瞬悟空の顔が強張った気がしたのは気のせいだろうか。
何時の間にか悟浄も静かになっていた。
「私は別に構わないよ?」
「僕達が構うんですよ。」
二人の教育上悪い、と笑顔で云われてしまったので、鍵を受け取った。
八戒には悟空と悟浄は頭が上がらないらしい。
三蔵はと云うと既に寝ていた。
「それじゃ、おやすみ。」
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