四面楚歌

□第二話
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「遅いね。」
「遅いわ。」
「遅い。」
「遅いだろぃ。」
「遅いな。」
「遅いじゃろ。」
「遅いですね。」
「あの莫迦もんが〜!!」



どうも、私達は今東京の柿ノ木中の校門前にいます。
練習試合をする為に、わざわざ赴いて来たのだけど・・・。



「やっぱ現地集合はマズったわね。」
「そうだな、今度からは弦一郎に迎えに行ってもらおう。」
「赤也〜!!」



赤也君の名を呼びながら、傍目からも恐ろしい形相の弦一郎。



「・・・そうね。」



そう、現地集合にしたのは良いのだが。
来ないのだ。
うちの2年のエース、切原赤也が。
お陰でさっきから弦一郎がご立腹。



「俺なんかぜってぇ寝坊すると思ったから、ジャッカルに迎え頼んどいたんだぜぃ?」
「威張って云える事ではないですよ、丸井君。」
「それに頼んだと云うよりは強制した、だろう。」
「でも如何するんだよ。もう直ぐ時間になるぜ?」
「切原は抜きでやる。」



そう云ったのは今まで赤也君に電話をしていた先生。



「あ、先生。赤也は?」
「・・・・・・バスで寝過ごしたそうだ。」



先生は頭を抱える。
私達も頭が痛くなって来た気がする。



「・・・はぁ。」



全員で溜息をついた事は云うまでもない。



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