四面楚歌
□第四話
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時が流れるのは早いもの。
って、ちょっと年寄り臭いかなぁ?
でも本当にあっと云う間に時間は流れて行って、地区予選が随分と昔の事に思えちゃう。
今度は関東大会に向けて皆練習しています。
もう赤也なんて本当に凄いの。
二年生になってからますますパワーアップした感じ。
今もうちのOB相手に互角・・・、ううん、それ以上の戦いをしています。
勝つ度に「零、勝ったっスよ〜!」って笑顔を向けてくれるのが嬉しい。
「噂通りの凄さだ。」
今日はうちの学校でトーナメントの抽選会が在る事も在って、月刊プロテニスの記者さん、井上さんと芝さんが来ている。
地区予選の時、慶と知り合いっぽかったけど・・・。
如何云う関係なのかな・・・?
まだまだ慶の事は知らない部分が多い。
人の過去についてとやかく云う気はないけど、知りたいって思っちゃうのは我儘かな?
「零、慶は何処じゃ?」
私に声をかけたのは雅治君。
慶の恋人さんで、うちのダブルス1の選手。
最初は慶ってこう云う人がタイプなんだぁって驚いたけど。
意外って云ったら悪いけど、一緒にいると二人はお似合い。
「慶?慶ならトーナメントの結果、見に行ってるよ?」
弦一郎君は行かなくても良いって云ってたけど、そう云う訳にもいかないでしょって慶は行ってしまった。
でも何か妙にひっかかるのよねぇ。
なんか今日の慶、そわそわと云うか、嬉しそうにしてた気がする。
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