四面楚歌
□第十三話
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決勝戦の結果、3―2で。
青春学園が優勝した。
・・・・・・俺達は負けたんじゃ。
全国行きのチップは在る。
じゃが俺達は幸村と・・・慶との約束を破ってしまった。
常勝立海に負けを許してしまった。
俺達は病院に走った。
「・・・負けたの。」
「慶!!手術は?」
「私は成功したわ。・・・で、負けたのね。」
疑問のようでいて何処か確信を持った云い方じゃった。
手術成功を祝う気持ちよりも、優勝出来なかった申し訳なさの方が上回っていた。
「全く・・・、仕方ないわね。全国に向けて私達がビシバシ扱くから。」
私達、と云う言葉に顔を上げた。
其処には不敵に笑う慶と、
「覚悟するんだね。」
「精市!!」
幸村。
「幸村君、手術は・・・。」
「成功したよ。如何やら免れていたらしい。」
ギラン・バレー。
その症状に酷似していると云われていた幸村。
然しそれは本当に酷似していただけ、らしい。
「リハビリの必要は在るけど、もう命に別状はない。皆、迷惑をかけたね。」
「違うわよ精市、そう云う時はこう云うの。心配かけてごめんね、それから有難うって。」
「そうだね・・・。皆、有難う。」
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