Entfernug
□PHASE−4
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「こんにちは。」
俺は学校が終わるとそのまま直行でダッドさんの店に向かう。
自動ドアを潜った先には・・・・・・。
「よぉ、アスランか。」
俺が望んだ笑顔はなく、カウンターにはダッドさんの姿。
お店は今誰も客は居らず、ダッドさんは煙草を咥えながら新聞を読んでいた。
「あれ、彼女は?」
「あ〜、あいつな。部屋で死んでんじゃねぇか?」
俺が首を傾げて訊ねると、ダッドさんは喉でくっくっと笑う。
「階段を昇った一番奥だからよ。」
「え?」
ダッドさんの言葉の意味が判らなくて、また首を傾げる。
「レモーリンの部屋だよ、お前なら力になれるだろ?」
何が力になれるのか判らなかったが。
俺は素直にその言葉にしたがって階段を上がって行く。
「・・・・・・開口一番が『彼女は?』、ね・・・。」
すげぇじゃねぇの、と怪しい笑みを浮かべながら、ダッドさんは再び新聞に目を戻した。
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