Entfernug

□PHASE−8
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「此処が今は私の家です!皆さんはダッド叔父さんの事知ってるんですよね?」



笑顔を満開に咲かせながら皆を案内するレモーリン。
それとは正反対に曇り顔な俺。
別にレモーリンと皆が仲良くなる事は嬉しい。
でもその反面、何処か面白くない部分が在るのも確かだ。



「そー不機嫌な顔するなよ、アスラン。」
「ミゲル・・・。」
「皆喜んでんだよ、お前の前進に。」
「俺の前進・・・?」
「そ、救世主(メシア)の登場にな。」
「意味が判らないんだが・・・。」



お前はそれで良いんだよ、と笑うミゲル。
莫迦にされている気がしないでもないんだが。



「叔父さーん!ただいまぁ〜。」
「おぅお帰り・・・って一日で随分とまぁ子沢山になって・・・。」
「如何してそうなるんですか!?」



レモーリンの後ろに居る俺達を見て、にやけるダッドさん。



「お久し振りです、ダッドさん。」
「よぉ、キラ。元気してたか?」
「ええ、貴方に会わなかったので。」
「云うじゃねぇかガキ。」



静かに睨み合うキラとダッドさん。
そんな二人に溜息が出る。



「アスラン、何か食べたいもの在る?」



ぽんと一つ肩を叩かれて振り返れば、優しい笑顔。
それに反して皆は驚いた顔をする。



「・・・アスラン、平気なのか?」
「不思議と、ね。」



ラスティがこぼれんばかりに目を見開きながら訊ねる。
俺は苦笑で答えた。



「?」



訳の判らない、と云う顔をするレモーリン。
そう云えば、まだ彼女には話していなかったな。
何時か話したい、ちゃんと自分の口から。



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