Entfernug

□PHASE−13
1ページ/3ページ




只今電源を切っておられるか、電波の届かない場所に・・・・・・。



お馴染みの機械音に受話器を下ろした。

今のが四回目。
俺は辺りを見回した。

下校時間を過ぎても、レモーリンが戻って来ない。
大雑把に見えて時間にはきっちりしているレモーリン。
なのに戻って来ないなんて。

・・・・・・何だろう、胸騒ぎがする。



「アスラーン、ラクス見なかった?」
「ラクスもいないのか?」
「も?」



鞄だけの机をキラに示す。



「じゃあまだ音楽室かな?」



二人一緒にいる可能性は頗る高い。
女同士が集まると話も買い物も長い、とラスティから聞いたことがある。



「ん?」



音楽室へとやって来た俺達は首を傾げた。

・・・扉が開かない。

動いたのは二人同時だった。
こう云う時の勘はお互いよく当たるのだ。
持っていたノートパソコンを開く。



「熱源感知、中に人が居る!」
「こっちもだ。一部セキュリティーが乗っ取られている。」
「うちのセキュリティーが?」



自慢じゃないがうちのセキュリティーはしっかりしている。
早々に突破出来る筈はないんだが。
だが今そんな事は問題じゃない。



「じゃあ中にいるのは・・・。」



二人でキーボードを叩く。
乗っ取られたセキュリティーを取り戻す為に。

無事でいろよ!
レモーリン!



次→
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ