Entfernug

□PHASE−16
1ページ/3ページ




「ふわぁ・・・。」



昨日退院をしました。
やっぱり病院のベッドより、自分のベッド。
泥のように眠ったのにまだ眠い。

それでもご飯を作らないと叔父さんが煩いので、瞼を擦りながら洗面所に向かう。



「おはよう。」
「お、おはよう!」



しかしそこには先客。

そうだった!
アスランがうちに泊まってるんだった!!



『俺、暫く此処に住み込むから宜しく。』



そう云い出した理由は判るような判らないようななのですが。
まぁお部屋は余っているので、慌てる私を余所に叔父さんはOKを出した。
・・・・・・私に決定権はありませんとも。



「ふふ・・・。」
「な、何!?」
「寝癖、付いてる。」
「ふぇ!?」



ふいに頭上に延びてきたアスランの手。
その指が撫でるように優しく私の髪を梳く。



「ん、可愛い。」
「っ・・・。」



どうしてこの方は朝からこんなに完璧なんでしょうか。
何かアスランがモテる理由が判った気がする・・・。



「・・・おーい、朝飯。」
「あ、はーい!」



朝ご飯一緒って云うのは初めてだよね。



「ちょっと待っててね。すぐ作るから。」
「ああ。」



笑顔で見送ってくれたアスラン。
私がキッチンに入ったのを見届けると、



「ダッドさん。馬に蹴られて、って云う地球の格言知ってます?」
「・・・お前最近キラに似てきたぞ。」



なんて会話がされていた事を私は知らない。



次→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ