テニスとテニス
□第九話
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「よく走り抜いたな。午後はコートを自由に使って構わない。」
コートを自由に使えるのは嬉しい・・・。
嬉しいの、だが・・・。
今はそれを喜べる余裕を持つものは此処にはいない。
「ぜぇ・・・マジ、死ぬ・・・。」
何とか全員40km走り終わり、肩で息をする。
「菜央、昼の準備は?」
「ちゃんとして在るわよ、私だって食材くらいは切れるんだから。」
菜央は任せなさい、と云って胸を叩く。
「ダダダダ〜ン!皆さんお昼です〜。」
「うお、肉の匂い・・・。」
確かに肉の焼ける良い匂い。
六台ほどBBQ台が在り、その上には・・・。
「肉ぅぅぅ〜!!」
先程まで元気がなかった向日、芥川、丸井、切原、桑原、新渡米、喜多は肉に向かって突進。
「はは・・・、元気だな・・・。」
「何で昼間からBBQ・・・。」
胃凭れが起きそうだ、と宍戸。
「準備が楽だからじゃね?」
「あんまり固形物を食べれる気力がないんですが・・・。」
「でも食っとかないと午後死ぬぞ、鳳。」
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