テニス短編
□11月3日
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「いよぅ、ハゲ。」
「ハゲじゃねぇ!」
私は彼に向って勢いよく手を挙げた。
何時もの挨拶に、彼は空かさず突っ込む。
「いよぅ、色黒。」
「悪かったな地黒で。」
あ、ちょっと卑屈になった。
「いよぅ、ブラジル人。」
「てめぇ、舐めてんのか?」
今度はキレ気味。
面白い。
「いよぅ、色男。」
「は・・・?」
ふふ、間抜け面。
「いよぅ、誕生日おめでとう。」
「・・・サンキュ?」
もう訳が判らないと首を傾げる。
「ジャッカル・・・・・・。」
「最初からそう呼べ。」
私は最大限の笑顔で、
「好きだよ。」
「へ?」
そう告げた。
終