テニス短編

□11月3日
1ページ/1ページ




「いよぅ、ハゲ。」
「ハゲじゃねぇ!」



私は彼に向って勢いよく手を挙げた。
何時もの挨拶に、彼は空かさず突っ込む。



「いよぅ、色黒。」
「悪かったな地黒で。」



あ、ちょっと卑屈になった。



「いよぅ、ブラジル人。」
「てめぇ、舐めてんのか?」



今度はキレ気味。
面白い。



「いよぅ、色男。」
「は・・・?」



ふふ、間抜け面。



「いよぅ、誕生日おめでとう。」
「・・・サンキュ?」



もう訳が判らないと首を傾げる。



「ジャッカル・・・・・・。」
「最初からそう呼べ。」



私は最大限の笑顔で、



「好きだよ。」
「へ?」



そう告げた。





[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ