四面楚歌

□第一話
2ページ/3ページ




「やった〜!」
「やったぜよ。」
「そうだな。」
「・・・マジで?」



進級と共に一番最初の最大行事と云っていい、クラス替え。
それはいい、私も三年は零と一緒になれたらいいな、とは思ったし?
でも他は・・・。



「慶と一緒だ、わ〜い。」
「慶と一緒じゃ、わ〜い。」
「仁王、気持ち悪いぞ。」



私の名前が在ったのは一組。
同じく、零、雅治、蓮二、そして精市の名前も其処に在った。

精市の体調は相変わらず。
いまだ入院中です。



「大変だな慶。」
「そう思うなら代わってよジャッカル。」



私の肩を叩いて、哀れそうな目で見るのはジャッカル。



「・・・無理だな。」
「心配しないで下さい慶さん。ジャッカル君は丸井君と同じクラスですからね。」
「成程、パシリか。」
「パシリ云うな!」
「貴方も苦労しそうね。」
「・・・まあな。」



私も彼がしたのと同じように哀れみの目と、肩を叩いてあげた。
まぁ、元から苦労人じゃない?と思ったのは内緒にしておく。



「一番まともなのは比呂士のクラスだな。」
「うむ、俺がいる限り、問題は起こさせん。」



比呂士と弦一郎が如何やら同じクラスのようで。
早速何故か張り切り出す弦一郎。



「・・・ま。柳生なら大丈夫じゃろ。」
「丸井なら死んでいたな。」
「一日だって持たないぜぃ。」
「センパーイ!」



其処に走り寄って来たのは、ワカメ・・・じゃかなかった赤也君。



「赤也!」



零が途端に顔を綻ばせる。
・・・好きな人の力は偉大ね。



「クラス判ったっスか?」
「赤也は?」
「俺は一組っス。」
「一緒だ〜。」



同じ一組と云う事で手に手を取って喜ぶ二人。



「何が嬉しいんじゃ・・・?」
「良いじゃない別に。本人達が喜んでるんだから。」



学年が一緒の私と雅治とは違って、零と赤也君は棟が別。
会おうと思わなければ、会えないのだ。
ま、心配しなくても恒例のお昼は皆一緒だろう。



次→
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ