四面楚歌
□第八話
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赤也君の悲鳴が立海に轟く頃、私は。
「・・・・・・。」
「慶、もう少し愛想良く出来んのかの。」
「・・・見合いでなければするわよ。」
祖父に突然呼ばれたと思ったら、めかし込まされて。
会うだけで良いからと背中を押されて、今襖の前。
「別に結婚しろなんて云ってないじゃろうが。先方が強く押して来たからで、嫌だったら断ったら良い。」
「だけどねぇ・・・。」
確かに今までお見合いの話がなかった訳じゃない。
でもお祖父様は私の気持ちを汲んでか、その話を通してはこなかった。
なのに今日は・・・。
それほど大物って事かしら。
「失礼しますぞ。」
「失礼します。」
祖父に続いて襖を潜る。
待っていたのは・・・。
「よォ、慶。また会ったな。」
「・・・・・・帰らせて頂きます。」
跡部さんとこのお坊ちゃまでした。
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