Entfernug

□PHASE−9
2ページ/4ページ




「さてと。」



俺は皆よりも一足早く学園に辿り着いた。
本来ならレモーリンと一緒に行きたい所だが、そうもいかない理由が出来た。



「理由は判ってるよな。」



彼女の肩がびくんと震えた。
彼女と云うのはルナマリア・ホーク。



「これ、君の仕業だな。」



俺の掌の上には、昨日レモーリンの家に設置されていた盗聴器。
ルナマリアが明らかに怯えているのは判る。
でも怒りは止められない。
今は気持ち悪さよりも怒気が勝っていた。



「何故、こんな事をした。」



例えどんな理由を並べられても許す気はないが。



「それは・・・、だって・・・。」



俺は思い切り壁を殴った。
そう、彼女の顔の直ぐ横を。



「っ・・・。」
「二度目はないと思え。」



俺はルナマリアに背を向けた。
彼女はそのまま腰を抜かしてしまったようだ。
俺はすぐさま水道に向かい、口の中に水を流し込んだ。

・・・気持ち悪い。

自分でもよくあの距離を耐えられたもんだと思う。



「・・・アスラン?大丈夫かい?」
「キラ・・・。」



キラの姿を目に留めるや否や、俺はその腕に倒れ込んだ。



「・・・よく頑張ったね。」



次→
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ