なんでも屋

□第参話
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とある高校のとあるHR。
何時もは出席を取るだけで終わる単調なものだ。
然し、今日は少し違う・・・。



「今日は転校生を紹介する。飛鳥井、和泉、入って来てくれ。」



転校生と云うだけで、期待が膨らむ。
おまけに二人も、とくれば暴れたい盛りにはテンション上がるニュースだろう。



「きゃ〜!?」



それに呼応するように教室内に女子の黄色い悲鳴が木霊した。
それもその筈、入って来たのは美丈夫桃司。
一瞬にして女子の心を鷲掴み。



「(煩い・・・。)飛鳥井桃司です。」



頭を下げた姿は何とも折り目正しい。
流石はと云うか何と云うか。



「うげっ・・・。」



次に入って来るのは桃司と同じく美形と称される刹那の筈。
然し男子から零れた声はこんな声。



「よ・・・、宜しくお願いします。」



桃司の隣には三つ編み眼鏡をかけた、如何にも地味な少女がいた。



「ねぇ、桃司君。好きな食べ物は?」
「如何して転校して来たの?」
「好みのタイプは?」



早速女子に囲まれる桃司、本人は不本意だが。
一方刹那はと云えば・・・。



「・・・・・・。」



与えられた席に一人ぽつんと座っていた。

何故二人がこんな事になっているのかと云うと。
―――――遡る事、一週間前。



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