ゆめ2

□あなたに貰ったこの花一輪。
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「はい。」

「は?」


総悟が差し出したのは一輪のカーネーションだった。












いやいや。俺、かぁちゃんじゃねーし。
てか、男だし。





なぜか一般的な赤ではなくピンク色をした一輪のカーネーション。
あぁ、そう言えば昨日は母の日だったな、なんて思いながら首を振った。


「あげまさァ。」


明らかに困惑している俺に迫るように、カーネーションと総悟が寄ってくる。


「晋助さんに買ってきたんでさァ。」

「な、なんでだ?」


結局渡されたというか、掻いていた胡座の上にカーネーションを置かれた。


「え?だって。」

「だって?」


そう言うもんじゃねーの?って当たり前のように総悟は笑う。


いやいや、意味がわからねぇ。


「だってお世話になったから渡すんだろィ?カーネーション。」

「…おぉ。」


いちよ母の日の事を言っているのだろうが、それなら昨日だろ?


「俺、かぁーちゃんいねーし、一番お世話になってるの晋助さんだから。」


へへと笑い隣に腰掛ける。


「世話ってもなぁ…」


色々間違ってると思いつつもカーネーションを手に取った。
ピンク色の可愛いそれは、自分自身とは遠く離れた者に感じる。


「てか、なんでピンク?」


せめて男に渡すなら赤とか黄色だろ…


「知らねーんですか?」

「何が?」


カーネーション越しに笑う総悟は得意げに言った。


『あなたを熱愛。』


「花言葉でさァ。晋助さんにあげるならこれが一番いいなって。」


だからずっと一緒にいましょうね。って体を俺に預けてまた笑った。


「……そうだな。」


つられて俺も笑ってしまった。
訳わからないことを言う総悟はなんだか可愛らしかった。













ところで、


「てか、なんで今日買ってきたんだ?母の日は昨日だろ?」

「え…だって終わった方が安く買えるじゃん。」

「……。」



あ、父の日も何かあげますねと総悟は楽しそうに台所へ立ち上がった。












(俺っていったい……)












一人複雑な気分の俺を残して。



END

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大変お待たせいたしました(汗)
ほのぼの(?)な高沖です。
今回はめずらしく総悟に押されてる高杉にしてみました。
如何でしょうか?
しかし、ホントにお待たせしちゃって、本当に申し訳無かったです。
「俺、参上!!」とか遊んでないで早くやれよでしたよね(土下座)
こんなんですが、Tiny様に少しでも気に入っていただけたら幸いです。
リクエスト本当にありがとうございました。

 

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