■Yaneura Dream■
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俺には兄妹が5人いる……
その中でも一番歳が近いのは俺達兄妹の中で唯一の女の子である妹だ。
まぁ歳が近いっていうか、同い年なんだけど。
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俺とコイツは双子だ。
自慢じゃないけどやらせれば何でも出来るってのが俺。
で、対象的に何やらせても出来ないのがコイツ。
俺から見たら何でそんな事も出来ねぇの?って思うくらい毎日傷だらけだった。
だから双子って事もあるし、いつも比べられる俺たち。
一回だけ俺は聞いた事がある。
「お前嫌にならねぇの?」
「うん!!
キルアがいてくれるもん」
そう言って笑った。
たったそれだけだったけど、何かスッゲー嬉しくて……
コイツは俺が守るとか幼心に誓ったのを覚えてる。
それが恋心に変わるのに大して時間はかからなかった。
いつも側にいて見てるのに日に日に女らしくなる。
気付いた時にはもう戻れなくなるくらいハマってた。
兄妹じゃ結婚できないって知って暴れた事もある。
いい加減離れれば良いのに……
「ほらっ」
へたりこんでるコイツにそう言って手を差し出してしまう。
コイツが手を握ると『仕方ねぇなぁ』なんて強がるけど内心握り返してくれなくなる日に脅えてる。
いつか俺じゃなくて他の人の……
他の男の手を握って笑ってるコイツを見る日が来るんだろうか。
「キルアー
大好きぃー」
そんな事考えてたら何にも考えてないであろうお前は可愛らしく笑って俺を見てた。
「俺も好きだよ」
そう返した自分の声が酷く頭に響いた。
俺は本気でお前を好きなんだ。
そう言いたいのを我慢して繋がれた手の温もりを離さないように力を込めた。