終わらない明日へ

□それは恋?
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―某日、プラントのクライン邸テラスにて―


何かの冗談だろうか。

「それは恋ですわvV」

ラクスはティーカップを優雅にすすってそう言った。

…ラクス、頭でも打ったか?

カガリは内心失礼極まりない突っ込みをいれつつ、ラクスとの会話の内容をふり返った。


今から遡ること数十分。


「なぁラクス…私、変なんだ」
「カガリさんが変なのは前から…いえ、失礼言葉のあやですわ」

カガリの手には、今にも握りつぶされそうなピンクハロが。

「どこに言葉のあやが入る余地があったのか突き詰めたいところだがあえて流す…。変っていうか、キラ。アイツのせいだってわかってるんだが」
「まぁ。キラに嫌われでもしましたか?」
「そんなことがあるかぁ!!私たちは誰もが羨む仲良し姉弟だぞ!そんなことあってみろ…アイツを殺して私も死ぬ」
「一国の主が超私事で死を選ばないでくださいな。残されたアスランが過労死してしまいますわ。今も十分生きてるのが不思議なくらいですけど」

ハロが『クタバランカイナ〜?』と不吉な言葉を連呼している。

「アスランはヘタレだがほっといても仕事についてはそつなくやってくれてるし…、今もアイツに仕事全部押し付けてプラント来たからな。だがキラは違うんだ。アイツポケポケなんだよ!!」
「まぁ。わたくしと同じ天然さんですものね☆」

天然は自分で天然と言わない、と思ったが、下手に突っ込むと命がないので、カガリは華麗にスルーすることに決めた。

「この前だって何にもないところで転んで後頭部打って意識なくしたんだ…アイツ、コーディネイターだぞ?ありえないだろ普通!」
「でもキラは最高のコーディネイターですし…」
「なおのことありえないだろうが!!どの辺が最高なんだ?!あの天然っぷりがか?!アァ?!だから放っとけないんだよ!!アイツ見てると危なっかしくて…、もうなんか変なんだよ!」
「まぁ」

そして。

「それは、恋ですわvV」

とラクスは自信満々に言い放ったのだ。

このような会話が交わされたわけだが。わたしがおかしいのか?普通に考えたらそういう結論に至るのか?

いやいやいや。ラクスは天然ではないが思考回路が常人のそれを逸脱しているから、私の方が正しいに決まってる。

とカガリはそう結論づけ、ラクスに改めて言った。

「いいか、ラクス。私たちは姉弟だぞ?」
「ええ。それが何か?」

カガリは痛む頭を押さえて続けた。

「…プラントは婚姻統制が行われてるくらいだ。近親婚なんてもちろん禁止されているだろ?」
「あら」

ラクスは目を丸くしてカガリを見た。



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