終わらない明日へ

□それは恋?
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「プラントは関係ありませんわ。あなたがお住まいなのはオーブ。そしてオーブの法はあなたです。恐いものなんてありはしませんわ。その気になれば近親婚なんていくらでも…」
「おい待て…私はそういうことが言いたいんじゃなくてだな…」
「そもそもキラとカガリはコーディネイターとナチュラル。血の繋がりはあるにしろ…まぁイケル気がしませんか?」
「ちょっと待て。どんどん話がそれて…っつーか恋決定なのか?!」
「あぁこうしてはいられませんわ!!結婚式はオーブですか?わたくしも必ずお呼びくださいね。あらぁ偶然にもこんなところに結婚式の衣装カタログが☆せっかくですしご覧になってみません?」
「今あきらかに大量のハロがどこからともなくカタログ運んできて去ってったよな…ってこれタキシードなんだが」

ラクスが開いたそのページには、白のタキシードを着こなした男性がズラリと並んでいた。

「スカートなんてあんな足のスースーするもん穿きたくない、と会談のときにおっしゃっていたではありませんか」
「それとこれは別で…ってそもそも結婚なんてしないから!」

唐突に、ピンクハロがラクスの膝の上で『ミトメタクナーイ』と発した。

「アスハを絶やすおつもりなのですか?ウズミ様の託されたオーブ、その行く末などどうなってもかまわないと?」
「だからそういう意味じゃなくてだな…」
「まぁ☆そうですわね、あなたならそうおっしゃるとわかってましたわ。


あらぁ!こんなところに偶然にもキラがお昼寝していらっしゃいますわ!せっかくですしキラにも衣装を選んでもらって式を…」
「待て待て待てぇえい!!オーブにいるはずのキラがなんであたかもごく当然のようにクライン邸で昼寝している!!どんな偶然を装った偽装工作施した…!」
「心外ですわ。公務にお疲れの様子だったキラを官邸から少しばかり連れ出してうっかりプラント行きのシャトルにお乗せして、お疲れがとれるようにとラクススペシャルのドリンク剤を飲んで頂いただけですのに」
「睡眠薬という名のドリンク剤だろうが…!ドリンク剤言わないぞソレは!っていうかどんなうっかりだ!明らかに意図して連れてきただろお前!!」
「キラはどれが一番お似合いになるでしょうか。これかしら…それとも、これ?」
「それ全部ウエディングドレスだろうがァア!!キラに何着せるつもりだ!キラッ起きろ!帰るぞ!ラクスに相談した私が馬鹿だった!!」
「え…、カガリ?ここって…」

カガリは、キラを右肩にひょいと担いでクライン邸を足早に後にしようとする。

「仲人はわたくしに務めさせてくださいね」
「いやもうほんといいから…」

結局何の解決にもならないままカガリはオーブに帰ることになった。このままでいいってことなんだ、と自分に言い聞かせて自己完結することにした。

そして、オーブに帰った二人を待っていたのは、ありえない量の書類の山に埋もれる寸前の、半死半生のアスランだった。


END.
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