終わらない明日へ
□あなたの幸せと私の幸せ
2ページ/4ページ
カガリは躊躇なく彼を思いきり足蹴にした。アスランは悲鳴をあげることなく地面に沈んだ。
「カガリ!いきなりなんてことするんだよ…。ごめんね、アスラン。でも急にどうしたの?」
そんなヤツほっとけ、というカガリを振り切ってキラがアスランに駆け寄ると、「俺は無実だ…」と独り言のように呟いた。キラが頭上に?マークを浮かべていると、どこからともなくハロがやってきて『ミトメタクナーイ』と一言。
「コイツ…」
ピンク色のハロを見てカガリが呟いた。
「ごきげんよう☆ですわ」
ラクスがひょっこりと顔を出した。
「朝からご迷惑をおかけしてしまいましたわ。わたくし止めましたのよ?でもアスランはチャイムから離れてくださらなくて…」
アスランが「いけしゃあしゃあと…」と誰にも聞こえないように呟いたらしいが、残念なことにピンクの凶器が再び彼に襲いかかり、どこかの世界に旅立ってしまった。
「ラクスが謝ることないぞ。それよりどうした?二人揃ってこんな朝から」
カガリがその言葉を発した途端、ラクスはその瞳に大粒の涙をためてハラハラと涙を流し始めた。キラはラクスの左手に目薬を所持しているのをうっかり見つけてしまい青い顔。
「ど、どうしたんだよラクス!」
何も知らないカガリは焦ってラクスに駆け寄る。ラクスの顔を覗きこんで、「とりあえず中に入れ」と促す。キラは倒れ伏したままのアスランを肩に担いで家の中に運んだ。アスランがラクスに無理矢理付き合わされたんだろうな、と何となくわかって同情した。
アスランを運び終えて、キラはラクスとカガリのいるリビングに足を入れた。ラクスの向かいに座るカガリの隣に腰を下ろすと、ラクスはどこからともなくハガキを取り出し、それをずいっと二人の目の前に突き出して言った。
「どういうことですの?!」
キラとカガリの二人は豆鉄砲をくらった鳩のようになった。それから顔を見合わせて、カガリが不思議そうに改めてラクスに向き直って言った。
「どういうことって…どういうことだ?」
「結婚式のことですわ!どうしてわたくしを呼んでくださらなかったのですか?!しかもそれを3ヶ月も経って知らされるなんて…!わたくし居ても立ってもいられずこうしてやって来ましたのよ!」
突き出されたハガキには3ヶ月前に撮ったキラとカガリの結婚式の写真があった。カガリが視線を反らして「あぁ」と頭をかいた。
「私たち二人だけで挙げたかったんだ。済まない」
「ごめんね。ラクスに知らせたくなかった、とかじゃないんだ」
単にお互いのことしか見えてなくて、結婚のことを周囲に知らせるのが遅れた、それだけのことだった。
→