終わらない明日へ

□congratulation!
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「それがな…、マーナは私たちのことに気づいていたみたいでな。しかも驚愕の事実を教えてくれたんだ」

それは、数時間前のこと。珍しく書類をせっせと片していくカガリのところに、乳母であるマーナが来ていた。

『カガリさま、キラさまとのご結婚はいつです?』

そして、突然の爆弾発言。

『ブフ―――ッ!!』
『まぁあ…すみません、この紅茶、お口に合わなかったですか?ユーラシア連邦から輸入した最高級のものだったのに…』
『違うッそうじゃない!!なんだ結婚て!私たちは双子だぞ!!』
『確かに二人は双子でいらっしゃるけれど…、もしかしてカガリさまご存じないんですか?』
『なんのことだ?』

自分たちの関係を知られていることにひどく動揺したが、マーナの口ぶりからするとさほど重大なことと捉えていないようだ。彼女は割りと重要な仕事もほっぽって休暇を優先させるよう勧めることもあるので油断はできないが、この含みのある言い方は何か根拠があってのことかもしれない。

『ご結婚されるのには何の問題もないのですよ?ほら、キラさまはコーディネイター、カガリさまはナチュラル。幸か不幸か、キラさまとカガリさまの遺伝子は他人のそれとの違いほどあるのだと。ですから、』
『マーナ!』

マーナの言葉にカガリが割って入った。

『はい?』
『ラクスはいつでも式の用意はしてくれてるらしい。頼んでみる!』
『早速そうされるがよろしいですよ。あぁマーナもこうしてはいられません!カガリさまに似合うドレスを…』
『ドレスは着ん』
『カガリさまッ!!』

「…というわけだ」

全てを話し終えたカガリの表情はえらく清々しかった。

「そんなアホな…」
「アホとは何だ。嬉しくないのかお前は」
「嬉しくないこともないけどでも…!」
「なんだ?そんなこと言うなら式ではお前にドレス着てもらうからな」
「勘弁してよ!!」
「なら私も我慢してドレス着るからお前も着ろよ」
「我慢して着る意味が全くもって理解できないよ!」
「じゃあ二人でタキシード決定な」
「なんでそこでじゃあになるんだよ!」
「ちなみに仲人はラクスで、キラの親族役にはアスランを予定している」
「…それ、アスランには話したの?」
「いや、まだだ。そういえば午前中式のことばかり考えてたからアイツに全部仕事押し付けてたんだっけか。生きてるかな」
「あっさり不吉な言葉吐かないでよ…!ほんとにもう君は!」
「ははッ!楽しみだな、明日!」
「…………うん」

なんだかんだで幸せそうな二人だった。


END.
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